BIT2 シンセサウルス

 

古いMSXの音楽ソフトです。

なにがすごいって、マニュアルに堂々と、16ビット機並、あるいはそれ以上のパフォーマンスをセールスする文句が書かれてあったのがすごいです。とはいえ、今のところパソコンベースのシーケンスソフトを使用したのは『シンセサウルス』のみ、譜面入力も他に経験がないので、本当のところはどうなのか比べようがありません。加えて、この頃は何を触っても「なるほど、こういうものか」と納得して使っており、使いにくいという言葉は存在しないのでした。

まともに音楽の勉強などしたことがない自分にとって、楽譜の記号をほんの少しでも覚えられたことは実りがあったといえますが、それよりも2オペレータのFM音源のほうがやはり面白かったものです。オペレータのひとつはキャリア、もうひとつはモジュレータというふうに固定されていて(まあ、ふたつともキャリアで使うことはあまりないですから当然といえば当然)、それぞれエンベロープも設定できました。細かい設定もできる一方で、明るくするとか金属的な音に近付けるとか、そういうスイッチがいくつか備えられています。モジュレータの周波数などをいちいち設定できない初心者にも取っ付きやすいインターフェースを狙おうと思ってのことなのでしょうが、それでもやはりFM音源、四苦八苦しながら音作りをした憶えがあります。

2オペレータのわりには多様な音が出せたシンセサウルスのFMですが、ユーザープログラムは1度に1音色しか使えないというのが最大のネックでした。もちろんFMの各パラメータをコントロールチェンジを打ち込むように変更することなんてできず、パラメータをちょっとずつ変えたプログラムを20とか30とか作りためて、ひとつひとつプログラムチェンジを打ち込んで徐々に音色が変化するようにしたことも、キックとスネアとそのふたつが同時に鳴ったようなヒットっぽい音を用意して、やはりプログラムチェンジでリズムトラックを作ったこともありました。ドラムマシンもついていたのですが、当時はかなり気に入らない音色でした(今ならぜひ使ってみたいと思わせるチープな音ですけれど)。ドラム以外のプリセット音についてもだいたい似たような印象しかなかったと思います。

譜面のわりには自由度も高く、たとえばタイで伸ばした音のタイ記号に重ねてボリューム(ベロシティやエクスプレッションなんか存在しない)を打ち込むと、ちゃんと音が伸びつつ音量が変わっていきます。しかもボリュームが10段階とか15段階程度しかなく、ボコボコと音量が無理矢理変わっていくわけです。

FM音源としてはなかり粗末なものに違いありませんが、それにも関わらずポルタメントが効くのは大きいです。PCMの安い音源ではポルタメント機能がなかったりしますから(でもTG300にはあって、X3Rにはなかった。そういえばTrinityだってソロシンセにしか付いてない)、当時はピッチベンドを打ち込まなくてもいいのでよく使っていました。
意外にも単体シーケンサよりループが簡単なので、シンセサウルスで作った時期の音楽にはミニマルなものが多かったようです。なにしろ反復記号を打つだけですから。

ちなみにこのシンセサウルスは、MSX2ごと友人Sからの借りものなのでした。

 

(1999.10/05)


YAMAHA QY10
KORG SIGNALDELAY
YAMAHA QY20
ZOOM STUDIO1202
YAMAHA TG300
ASCII オトッキー
KORG X3R
ENSONIQ SQR Plus32voice
KORG TRINITY
BIT2 シンセサウルス
Roland MC303
YAMAHA QY10追加分
  ROCKSTEREO
YAMAHA TX802
KORG TRINITYプレイバックサンプラー
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